化学火災専門委員会公開シンポジウム『産業事故を考える』開催のご案内
題目:「産業事故を考える」
化学工場等で化学物質による火災事故や爆発事故が起こると、人的及び経済的損失は大きく、また、化学物質の漏えいにより周辺住民や環境へ悪影響を及ぼす等、社会不安の原因となる。最近では、ハイテク分野等における新規化学物質の取扱や、複雑な化学物質の廃棄物処理等に伴う火災事故や爆発事故も増加してきており、安全な社会を構築するため、また、環境保全の点からも化学物質による火災事故や爆発事故を予防することが重要である。
こうした火災事故や爆発事故に関する調査は、各監督官庁の担当者がそれぞれの業務として行っているが、その調査結果については、公表されずに埋もれたままになっている場合が多い。そこで、化学火災委員会では、消防、労働、警察、高圧ガス、火薬類等産業保安、海上保安、保険等に関係する委員により、国内外の事故事例を取り上げ、原因や予防対策について検討し、火災事故や爆発事故の予防対策に役立てることを目的として、これまで40年以上にわたり活動を行ってきた。2008年度までに通算375回の委員会を開催し、合計2315件の事故事例について検討を行った。その中で、特異な事例や新たな事故の傾向として見られるものなどについては、過去に事故事例集を発行し、火災誌への記事として発表も行ってきた。事故事例集の発行等については、委員の職務上調査した内容についての守秘義務があり、必ずしも継続的に行うことは困難であった。しかし、最近の傾向として、事故の再発防止のためにも事故調査の公開を求める意見が強まっており、化学火災委員会としても、適切な情報の公開が必要と考えられる。
そこで、化学火災委員会としては、今回、火災学会会員、一般の人々に対して公開シンポジウムを開催し、委員会の活動について報告するとともに、火災事故や爆発事故の予防のため、これまで検討した結果を発表することとした。
委員会活動についてご理解をいただくとともに、委員会での調査検討の成果が化学物質の生産、流通、消費、廃棄における安全対策に生かされ、火災事故や爆発事故の予防に役立つことを期待したい。
ー記ー
日 時 平成22年3月16日(火) 13:30 ~ 17:40
会 場 産業技術総合研究所「臨海副都心センター」 別館11階 会議室1
東京都江東区青海二丁目3番地26
新交通ゆりかもめ テレコムセンター駅 徒歩4分
参加費 無料 (ただし資料代1,000円 )
申込み 当日受付 (定員80名)
シンポジウム次第
総合司会:佐野蓉子委員(損害保険料率算出機構)
13:30 開会あいさつ: 田村昌三主査(東京大学名誉教授)
13:40 化学火災委員会の活動について:中村順幹事(科学警察研究所)
14:20 講演1 最近の火災・爆発事故の話題(1)
「危険物事故」:板垣晴彦委員(労働安全衛生総合研究所)
14:50 講演2 最近の火災・爆発事故の話題(2)
「廃棄物事故と危険性評価」: 岩田雄策委員(消防庁消防大学校)
(休 憩 10分)
15:30 講演3 事故情報データベースの活用
:和田有司委員(産業技術総合研究所)
16:00 講演4 ヒヤリハット・ニアミス情報の解析と活用
:若倉正英委員(災害情報センター)
16:30 パネルディスカッション“事故調査への取組と課題”
司会:田村昌三主査(東京大学名誉教授)
小舟浩司委員(東京消防庁予防部)
風間守委員(警視庁科学捜査研究所)
板垣晴彦委員(労働安全衛生総合研究所)
和田有司委員(産業技術総合研究所)
山崎ゆきみ委員(海上保安試験研究センター)
若倉正英委員(災害情報センター)
17:30 閉会のあいさつ:中村順幹事(科学警察研究所)
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学術委員会 江幡
2010.01.05 09:25