論文集

論文集 投稿規程・執筆要領

日本火災学会論文集

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別紙1「論文集執筆用フォーマット」および別紙2「論文投稿表題シート」はこちらからダウンロードしてご使用下さい。

 

論文集規程

 公益社団法人日本火災学会(以下「本会」という。)刊行委員会規程第10条第2項の規定に基づき、論文集規定を次のとおり定める。

(目的)
第1条 本会は、会員の学術的報告のため論文集を発行する。

(名称)
第2条 論文集の名称は、日本火災学会論文集とする。

(発行回数)
第3条 論文集は、原則として年3回発行する。

(募集する原稿の種類と内容)
第4条 論文集には、火災に関連する以下の各号の報文を掲載する。

(1) 一般論文
会員の研究にかかわる原著論文であって、学問的に価値ある結論、あるいは事実を含むと同時に内容がまとまっているもの
(2) ノート
会員の研究、技術開発にかかわる原著であって、新しい事実や価値ある結果を含むが、内容が断片的なもの 
(3) 総説
火災に関する特定分野の研究現状を展望したもの
(4) その他
掲載された論文等に対する誌上討論などのもの

(投稿資格)
第5条 投稿者は、本会正会員の論文会員に限る。ただし、共著者については、この限りでない。

(原稿の作成)
第6条 原稿の作成は、別に定める論文集執筆要領による。

(原稿の提出)
第7条 原稿の提出は、次の各号に従い行う。

(1) 提 出
原稿は、図、表及び写真などを含めて、本会刊行委員会論文集編集小委員会(以下「論文集小委員会」という。)宛に提出する
なお、使用した写真ならびに図表などは、原則として返却しない
(2) 原稿受付
原稿は、到着日をもって受付日とする
(3) 提出先
「公益社団法人 日本火災学会 刊行委員会 論文集編集小委員会」とする

(原稿の審査)
第8条 原稿は、論文集小委員会が指名する2名以上の査読委員による審査に付す。
2. 投稿原稿の掲載の可否は、審査を経て論文集小委員会が決定する。
3. 論文集小委員会は、審査の結果に基づき、原稿について訂正ならびに短縮などを求めることができる。この場合、返送の日から2ヶ月以内に再提出されない時には、投稿を取り消したものとし、それ以降に再提出されても新しく投稿されたものとして取り扱う。
4. 論文集小委員会が訂正を要求した場合、投稿者は指摘された箇所の他の箇所に変更を加えてはならない。
ただし、論文集小委員会の承諾がある場合はこの限りでない。

(校正)
第9条 初校は投稿者が行う。ただし、印刷上の誤りの他の修正、図版の修正は原則として認めない。校正原稿は、受け取り後2日以内に返却のこととする。

(原稿の受理)
第10条 掲載の決定の日をもって受理日とする。

(受付日などの明記)
第11条 掲載報文には、受付日および受理日を明記する。

(掲載料)
第12条 掲載料は、6頁まで20,000円とし、2頁増える毎に10,000円を加算する。
なお、カラー印刷を希望する場合は印刷実費の金額を著者が負担する。別刷を希望する場合は実費を著者の負担とする。

(著作権)
第13条 論文集に掲載された報文の著作権は、本会に帰属する。

(規程の変更)
第14条 この規程の変更は、理事会の議決を経るものとする。

(付則)
平成24年12月10日 制定
平成24年12月10日 適用
平成26年12月22日 変更
平成26年12月22日 適用

 

論文集執筆要領

公益社団法人 日本火災学会(以下「本会」という。) 論文集投稿規程第6条の規定に基づき、論文集(日本火災学会論文集)の執筆要領を次のとおり定める。

1.原稿の体裁

原稿は、原則として電子データで作成し、刷り上がり状態で6頁以内とする。原稿は、原則として、A4用紙、縦置きに横書きで2段組、1行24文字、46行とする。

2.論文執筆用フォーマット

原稿の作成は、印刷形式に類似する別紙1「論文集執筆用フォーマット」(MS-Word版)を推奨する。

3.表題

原稿の巻頭に、和文及び英文で、表題、著者名(ふりがな付き)、所属機関、住所を記載する。
なお、表題は、簡潔で一見して、内容がわかるように工夫し、「そのⅠ(1)」 など、あらかじめシリーズとなることを示す表記は避ける。

4.要旨

要旨は、内容を適切に表す150語程度の英文及び 300文字程度の和文(火災誌の掲載用)とし、図、表を含めてはならない。
要旨の英文は、ダブルスペースで作成する。

5.本文原稿

(1) 本文の項目は、大項目1、中項目 1.1、(1)、a、アの順とする。
(2) 頁番号は、頁下部の中央に記載する。
(3) 文章は、現代仮名づかい、常用漢字を使用し、簡潔かつ平易に表現する。
(4) 単位は、原則として国際単位系(SI)を用い、記号および用語は、できるだけ最近用いられているものを使用する。
(5) 本文中に記載する、記号と物理量を示す文字の区別、まぎらわしい文字および添字について、指示が必要と判断される場合は、朱書で指定する。
(6) (注)はできるだけ避け、やむを得ない場合には、通し番号を付して、最後にまとめて記載する。

6.図表原稿および写真

(1) 図、表及び写真の番号及びそのタイトルと注釈は、英文とする。ただし、英文の記載が困難、又は煩雑である場合は、論文集小委員会に問い合わせる。
(2) 図と写真の番号は下段にFig.1、Fig.2 ・・・、表は上段にTable 1、Table 2 ・・・と附す。
なお、本文の右に図表の番号によってその挿入箇所を示す。
(3) 図、表及び写真は、必要不可欠なものにとどめ、その枚数は合計で15枚以内を原則とする。これらは、縮小しても判読可能な鮮明な白黒とする。なお、カラーを希望する場合は、別途実費を請求するので事務局に問い合わせる。

7.参考文献

(1) 文献を引用する場合は、1)、2)のような文献番号を、本文中の文献を引用する箇所に、右肩付きで記入するとともに、参考文献リストは、末尾に一括して示す。
(2) 参考文献リストは、論文集執筆用フォーマットで示す記載例を参照する。雑誌の場合は、著者名、表題、雑誌名、巻数、号、頁、年号の順序で、また、単行本の場合は、著者名、書名、頁、出版社、発行年の順序で書く。表記は、SIST02(科学技術情報流通技術基準)に準拠する。
(3) 雑誌の名称は、できる限り略誌名を用いる。

8.投稿の送付

(1) 投稿の電子データは、5MB以下のPDF形式とする。。
送付時際して、別紙2「論文投稿表題シート」(Excel)に必要事項を記載し、電子データと合わせて、E-mailで送付する。
送付先:日本火災学会火災学会事務局
件 名:日本火災学会論文編集小委員会宛、投稿論文
(2) 審査後に掲載の決定を受けた原稿は、次のものを送付する。
・修正した電子データ(Word版等)
・PDF形式とした原稿
・原稿に貼り付けた原本の図、表及び写真をそれぞれ別のファイルとしたもの
・図、表及び写真の一覧とタイトルを記載した文書
送付に際し、写真等の鮮明度を考慮し5MBを超える時は2回以上に分けて送付するか、CD-ROMに書き込んで送付する。なお、送付された原稿は、原則として返却しない。

9.その他

(1) 原稿の体裁等に問題があるものについては、本会から修正を要請することがある。
(2) 他誌からの転載ならびに先行論文の引用などでは、問題が生じないように留意する。
なお、これらの諸問題については、著者の責任とし、本会では責任を負わない。

10.要領の変更

この要領の変更は、組織規程第6条第1項第4号に定める刊行委員会の議決を経るものとする。

11.付則

平成24年 12 月10日 設定
平成24年 12 月10日 適用
平成26年 10 月14日 変更
平成26年 12 月22日 適用

 

日本火災学会論文集 (VOl.57,No3,2007) 2007年12月

SSN 0546‐0794
日本火災学会論文集
BULLETIN OF JAPAN ASSOCIATION FOR FIRE SCIENCE AND ENGINEERING
Vol. 57 No. 3 2007
第 57 巻  第  3 号
平成19年12月
目次

最近の北方林での大規模森林火災と気候変動早坂洋史,福田正己,串田圭司(1)
-アラスカとサハでの森林火災と気象データによる考察-

表面フラッシュの発生限界に関する理論的考察桑名一徳,土橋 律(9)

Contents
Recent Large‐scale Forest Fires in Boreal Forests and Climate Change H. Hayasaka, M. Fukuda (1)
-Discussion Based on Forest Fire and Weather Data in Alaska and Sakha- and K. Kushida

Can We Predict the Occurrence of Surface Flash? K. Kuwana and R. Dobashi (9)

日本火災学会

日本火災学会論文集 (VOl.57, No2, 2007) 2007年6月

日本火災学会論文集 第57巻第2号の概要
Abstracts of Articles in the Bulletin of JAFSE (Vol.57, No.2, 2007)

住宅火災による死者の人的属性からみた死亡率の動向と類型化
鈴木 恵子
 2005年の住宅火災による死者数は前年から急増して1,220人に達し,消防機関はさらなる対策を求められている.この急増した死者数が誤差によるものか,別の要因になるものかを判断し,有効な対策を提案することを目的にとして,死亡率の算出とその推移の分析及び死者の類型化を行った.
 この結果,2005年の死者総数は1990年の死亡率に基づく推定の誤差の範囲内であるが,属性別の死亡率は変化していること,死者を家族型,中年男性型,高齢者型の3クラスターに分類でき,中でも中年男性型の死者数と死亡率が上昇していることが判った.
 これまで住宅防火対策の重点的啓発対象となっていなかった中年男性を対象とした対策を講じることが必要である.

総説
次元解析と火災研究
桑名 一徳,土橋 律
 火災現象は支配要因が多く複雑であるため,現象の理解や詳細な機構の解明が困難であることが多い.また,費用や場所の制限から,実験すること自体が難しいこともある.このような場合,次元解析やそれに基づいた模型実験が有効な研究手段の一つである.本稿では,次元解析の基本的な考え方や次元解析で重要なΠ定理について簡単に説明し,火災研究に関連した応用例を紹介する.

日本火災学会論文集 (Vo.57, No.1, 2007) 2007年2月

複数の火源が立体的に存在する火災の熱フィードバック量の推定 [福田 真弓,工藤 祐嗣,伊藤 昭彦] (1)
 複数火源が立体的に存在する際の対流と放射による熱フィードバック量を推定するため,分離火炎モデルと融合火炎モデルの2つを提案し,検証した。対流熱流束の推定は,他方の火災による高温プル-ムの影響を考慮したグラスホフ数を導入した。その結果,2つのプール火災の水平距離が近い場合は,立体的な配置においても融合火炎モデルが実験結果とよく一致する。互いの火源の距離が離れると分離火炎モデルが適用でき,水平配置では他の火炎からの放射が,立体配置では対流と放射の両方が影響する。また,火源のスケール効果について検討した結果,上方に位置する火災は火源の径が 0.2m以下では対流の影響が大きく,火源の径が 0.5m以上ではほぼ放射が支配的となる。

防火安全評価システムの最適性に関する理論的検討 [青木 義次] (11)
 防火安全評価法の改善のための議論が盛んであるが,かみ合わないこともある。本研究では,議論の共通枠組みを構築するため,評価システムの最適性について理論的に検討した。まず,簡単な考察から評価システムの意義・役割を明確化した。次に,損失最小評価システムが持つべき要件を求めた。また,この要件を確保するため,工学的データの蓄積とともに社会的に決まる量の把握も重要となることを示した。さらに,誤り最小評価システムが持つべき要件を求めた。最後に,実際の評価システムで用いられているポイント加算型評価システムについて検討し,各評価項目が統計的に独立の場合には,ポイント加算型評価システムでも損失最小評価システムになりうることを示した。

地下鉄駅舎火災における煙流動性状-数値流体解析による島式ホーム駅舎の煙流動性状の再現と安全対策の検討- [岡澤 尚美,長谷見 雄二,森山 修治,南 東君,丁 文?] (17)
 本論文は第56巻第2号掲載の「地下鉄駅舎火災における煙流動性状」の続報であり,地下鉄駅舎内の煙流動性状を現在実用的に利用されているレベルの商用CFDモデルで解析している。対象空間を一辺数百㎜から千㎜の格子に分割し,初期火災を想定した火災実験で認められた煙流動性状を,2層ゾーンモデルでは再現困難な特徴を含めて良く再現することができた。これにより,地下鉄駅舎の煙流動性状予測や煙制御対策の有効性評価の手法として,現在実用的に利用されているレベルの商用CFDモデルが有効に機能することが確認できた。

日本火災学会論文集 (Vo.56, No.3, 2006) 2006年12月

複数の火源が立体的に存在する火災の燃焼特性 [福田 真弓,工藤 祐嗣,伊藤 昭彦] (1)
 複数の火源が立体的に存在する際の火災性状を明らかにすることを目的に,水平ならびに垂直方向に配置された2つの小型プール火災の質量燃焼速度変化,火炎形状,火炎高さと火炎高さの振動を実験的に調査した。複数火災で水平に配置した場合,質量燃焼速度は一定距離までは単一火災の質量燃焼速度よりも大きくなる。また,輝炎のn-ヘプタン火災と不輝炎のメタノール火災とでは相互干渉の影響に差が生じる。火災を立体的に配置した場合,上方に配置された火災の質量燃焼速度は単一火災に比べ35~40%程度増加する。火炎高さおよびその振動周波数は火源間の距離と配置によって変化する。とりわけ立体的に配置した場合,上方に配置した火災の火炎高さは減少するが,その振動周波数は単一火源のそれに比べ最大50%程度増加した。

放水の物理的火災抑制効果に着目した地域住民の消火活動モデル [樋本 圭佑,幾代 健司,秋元 康男,北後 明彦,田中 哮義] (9)
 本論文では,筆者らがこれまでに開発してきた都市火災性状予測モデルに対して,放水の物理的火災抑制効果,ならびに都市火災時における住民の消火活動行動を組み込むことで,可搬ポンプ等を利用した地域消火活動の有効性を定量的に評価可能なモデルへと発展させた。ケーススタディとして,同形状の建物が等間隔に並んだ仮想的な市街地に本モデルを適用し,消防水利の整備状況が市街地の火災安全に及ぼす効果について基礎的な検討を加えた。

地下鉄駅舎火災における煙流動性状 -相対式ホーム駅舎の火災初期における煙流動性状- [森山 修治,長谷見雄二,岡澤 尚美,南 東君,丁 文?] (21)
 本論文は第56巻第2号掲載の「地下鉄駅舎火災における煙流動性状」の続報であり,既報の島式ホーム実験結果につづき,稼働中の相対式ホーム型地下鉄駅舎での煙流動実験結果を報告している。実験では地下鉄駅舎内の風速・温度を測定して煙流動モデルの検証に利用し得るデータを得るとともに,①ホーム階段シャッター開放時に外部風がホーム上の階段周辺の煙層に与える影響が島式より少ないこと,②煙伝播の影響が島式に比べて広範囲に及ぶこと,特に小規模火源においても対向ホーム側へ煙が伝播すること等についての知見を得た。

日本火災学会論文集 (Vo.56, No.2, 2006) 2006年6月

地下鉄駅舎火災における煙流動性状-島式ホーム駅舎の火災初期における煙流動性状- [森山 修治,長谷見雄二,岡澤 尚美,南 東君,丁 文?] (1)
 地下鉄駅舎は,韓国テグ市地下鉄火災のように,火災時には煙による避難・消防活動上の支障をきたし易い構成の地下空間であるが,実施設での火災実験の例はない。本論文は,稼働中の島式ホーム型地下鉄駅舎で初期火災程度の火源を使って行った煙流動実験を報告したものである。実験では主に①ホーム階段のシャッターの開閉条件と,②ホーム排煙の効果,に注目して,地下鉄駅舎内の風速・温度・圧力を測定して,煙流動モデルの検証に利用し得るデータを得るとともに,①ホーム階段シャッター開放時には外部風の影響でホーム上の煙層が不安定になり易いこと,②ホーム全体の一括排煙では局所火源に対してはシャッター閉鎖時の避難安全性の向上に寄与し難いこと等の知見を得た。

総説:膨張黒鉛による高分子材料の難燃化に関する最近の研究動向 [中川 祐一] (15)
 高分子材料の難燃化のために膨張黒鉛を利用する観点から行われた最近の研究開発の例を概説した。本稿では,特に欧州や中国などの研究機関で近年実施されてきた,ポリウレタンやポリオレフィンなどの高分子材料に膨張黒鉛を添加して,その他のハロゲンフリー難燃剤との相乗効果を調べた研究例に関する文献調査結果を取りまとめた。その結果,各種配合樹脂試料の防火性能が酸素指数試験やコーンカロリメータ試験などの小規模燃焼性試験により評価されており,膨張黒鉛がポリウレタンやポリオレフィンなどの高分子材料に対して一定の難燃効果を示し,一部の含リン難燃剤や水酸化マグネシウムなどの難燃剤との相乗効果も確認された。

日本火災学会論文集 (Vo.56, No.1, 2006) 2006年2月

アラスカの大規模森林火災について-衛星と気象データによる考察- [早坂洋史,福田正己,串田圭司,中右浩二,木村圭司] (1)

 高緯度地帯に分布する北方林では,気候変動により,森林火災が発生しやすい状態にある。2002年にシベリア・サハ共和国で,2003年にバイカル湖周辺で,2004~2005年に北米・アラスカで大火災が発生した。大規模な森林火災からは,地球温暖化ガスの二酸化炭素が大量に排出されており,森林火災の特性把握と防止策の確立が急がれている。本論文では,2004年のアラスカ大森林火災を,衛星と気象のデータを使って詳細に検討すると共に,CADを利用し,ホットスポットデータから焼損面積を算出する手法を開発した。この結果,6月下旬に発生した火災のほとんどが8月まで燃え続けたこと,火災の活発化する気象条件,焼損面積の拡大経過などを明らかにした。

ケイ酸ナトリウムを混合させた高含水耐火材の遮熱性能 [大高武士,浅古 畳] (9)

 耐火庫用耐火材の遮熱性能を向上させるため,潮解性のあるケイ酸ナトリウムをパーライトモルタルに分散混合させた耐火材の遮熱性能を調べるための実験を行った.まず,メタケイ酸ナトリウム,メタニケイ酸ナトリウム,メタ三ケイ酸ナトリウムの含水率を調べ,その中でメタケイ酸ナトリウムの含水率が最も多いことを見出した。ついで,メタケイ酸ナトリウムをパーライトモルタルに分散混合させた耐火材を試作し,その含水率,潜熱量,熱伝導率等の基礎熱物性を調べ,メタケイ酸ナトリウムの配合割合の影響を明らかにした.最後に,電気炉を用いた模擬耐火試験を行い,ケイ酸ナトリウムをパーライトモルタルに分散混合させた耐火材の耐火時間を明らかにした。

低換気状態で連続的に発生するバックドラフトのモデル化 [工藤祐嗣,早坂洋史,橋本好弘,橋上 勉,伊藤献一] (15)

 本論文は,一層ゾーンモデルを用いて低換気状態で発生するバックドラフトのシミュレーションモデルを構築し,計算を行った結果を報告したものである。一般的に用いられる一層ゾーンモデルに,壁面に配置した可燃材料の熱分解と自己着火を表現できるアレニクス型の発熱速度モデルを組み合わせた。計鼻結果では,実験結果と同様に複数回のバックドラフトによる温度上昇が見られた。また,開口部形状と開口因子を変化させて計算を行った結果,最もバックドラフト発生回数が多い開口因子が存在し,開口部の形状によってその最大値と最大値に達する開口因子の値は変化した。以上より,火災現場におけるバックドラフトが発生しない開口部設定の基礎データが得られた。

日本火災学会論文集 (Vo.55, No.3, 2005) 2005年12月

階段室内火災時における鉛直方向温度・煙濃度の予測法 [仁井大策,原田和典] (1)

階段室内において上方への煙の拡散性状を予測するために,実験結果に基づいて鉛直温度,煙濃度分布の予測モデルを作成した。火源上方に開口が無い場合には,密度勾配による乱流拡散として煙の拡散をモデル化した。乱流拡散係数は手すりおよび段床により堅シャフトの1/12に減少することを示した。火源上方に開口が有る場合には,煙の流れを煙突効果によるピストン流で近似した。ダクト内の流れと同様の手法で定式化し,既往の実験から階段1層当たりの形状抵抗係数を32.7とした。火源階は二層ゾーンモデルで近似し,これらのモデルと組み合わせた。実験結果と比較した結果,温度分布,二酸化炭素濃度分布ともに良い一致を示した。

ノート:階段室内火災時における煙流動性状の測定 [仁井大策,原田和典,大宮喜文,萩原一郎,山名俊男] (11)

階段室内において上方への煙の拡散性状を調べるために,種々の開口条件および火源位置の組み合わせに対して実大実験を行った。階段室の断面積は17.3㎡であり,高さは25.6mである。実験結果より煙の拡散性状は定性的に3種類に分類できた。第一に,火源上方に開口が無い場合,煙は上部の空気と混合しながらゆっくりと上昇した。鉛直方向の温度は上方階ほど指数関数的に低下し,最上階では温度はほとんど上昇しなかったが,二酸化炭素濃度は時間とともに最上階でも徐々に上昇した。第二に,火源上方に開口が有る場合,火源上方に開口が無い場合と比較して煙は煙突効果により速く上昇した。定常温度分布は火源上方に開口が無い場合とほぼ同じであったが,火源上方の二酸化炭素濃度分布は均一となった。最後に,火源が最上階におかれた場合,火源より下方への煙の拡散がみられたが,煙に汚染される範囲は狭かった。

日本火災学会論文集 (Vo.55, No.2, 2005) 2005年6月

配線器具に発生するトラッキング現象に関する実験的考察 [椿 真,中川博樹,岩浪正典,中野弘伸] (1)

毎年,電気火災によって人命が失われる事故が多く発生している。この原因の一つとして配線器具の差込みプラグやコンセント部からの発火が挙げられている。発火原因は,電源と配線器具との接続部の過熱による場合と,配線器具の絶縁破壊による短絡,いわゆるトラッキング現象による場合がある。本論文では,トラッキング現象のプロセスを解明することを目的として,差込みプラグの絶縁材料として主に使用されているポリ塩化ビニル樹脂と,コンセント用の絶縁材料であるユリア樹脂について,熱的な影響と電解液の濃度条件を変えて耐トラッキング性について検討を行った。この結果,測定された漏れ電流の挙動からトラッキング現象の発生メカニズムについて考察した。

横風の影響を受けた火災プリューム幅に関する実験的研究 [今村友彦,岡 泰資,須川修身,武石吉生,小川輝繁] (9)

自由空間において横風の影響を受けた火災プリュームの温度幅とその形状を把握するための実験を行った。火災プリューム主軸の位置とその温度を測定温度から決定し,主軸温度の1/eとなる温度が出現する位置までの,主軸位置からの距離として火災プリュームの温度幅を定義した。温度幅と火源からの距離の関係及びそれに及ぼす横風速度の影響を検討した。その結果,横風の影響を受けた火災プリュームの断面形状は,火源近傍では床面側に膨らんだ断面形状を示し,その後火源から遠ざかるに従って横風の影響により水平方向に膨らんだ楕円形状に遷移することがわかった。

横風の影響を受けた火災プリュームトラジェクトリーのモデル化 [岡 泰資,須川修身,今村友彦,武石吉生,本間正彦] (17)

有風下において単一火源上に形成した火災プリュームのトランジェクトリーに注目した実験を行った。模擬火源には,プロパンを燃料とした直径0.2mの円形ガスバーナーを使用し,発熱速度と横風速度をそれぞれ変化させた。火源風下側の温度場を3次元的に計測した結果をもとに,風下側に傾斜した火災プリューム軸の位置を定義し,この位置を予測するために,横風速度と発熱速度を変数として組み込んだモデル式を導出した。

平常時火災における消火栓の放水能力に関する研究 [難波義郎,保野健治郎,室﨑益輝,北後明彦,藤原正弘,粕谷明博,松岡秀男] (25)

神戸市消防局は,平常時の火災で消火栓の機能(水量・水圧)を評価するため,昭和61年6月9日に「消防ポンプ自動車の連成圧力調査」(神戸市星和台2丁目で放水実験)を行っている。この実際の街区における上水道管網での放水実験より,配水管の口径,放水消火栓数の条件に応じた放水量と水圧の関係を解析した。

消火栓の使用状況に基づく兵庫県南部地震直後の配水管網解析 [難波義郎,保野健治郎,室﨑益輝,北後明彦,藤原正弘,粕谷明博,松岡秀男] (35)

兵庫県南部地震直後に板宿低層配水区の火災で使用された3箇所の消火栓からの放水量と水圧並びに消火栓の使用状況及び放水台数・放水口数等の消防活動の諸元と配水管・給水管の被災状況を基に管網解析を試みた。

感知を中心とした火災現象に関する研究の流れ [山内幸雄] (47)

建物内の天井に取り付けられた火災感知器の応答に関わる火災現象としては,火源の上方に形成される火炎プレーム(Fire Plume);天井下に形成される天井流(Ceiling-jet);さらに室内の上部に形成される煙層(Smoke Layer)の三つが重要である。熱感知器の応答には,さらに気体から感知部への対流熱伝達および感知器内の熱伝導が関与する。また,煙感知器の応答には,煙の粒子的な性質が重要な役割を果たす。これらの現象と感知器の応答特性について,1950年から2003年にかけて発表された論文を選び,研究の流れを整理した。取り上げた研究は,直接的または間接的に火災感知器の応答予測に関わるもので,一般的な火災性状に関わるものを含むが,その全てを網羅したものではない。また,感知技術に関する研究は除外されている。

日本火災学会論文集 (Vo.55, No.1, 2005) 2005年2月

サハ共和国における森林火災の最近の傾向と2002年大規模火災 [早坂洋史,木村圭司,工藤純一] (1)

ロシア極東サハ共和国の森林火災傾向について気象データを基に検討した。最近の焼損面積の増大傾向は,気象変動に伴う気温の上昇,5~9月の降水量の減少,特に,日平均降雨量の半減傾向の影響が原因と思われた。この低降雨量条件下で,2002年に焼損面積約2.3万k㎡の大規模な森林火災がヤクーツク周辺で発生した。この大火災の経過を,衛星観測と気象計測とのデータを使って詳細に解析し,大火災となった原因について考察した。

商業地域小ブロック内配水管網が負担する同時開放消火栓に関する研究 [大沼博幹] (11)

商業地域の小ブロック内配水管網が負担可能な同時開放消火栓数について,各規模の小ブロックモデルを検討した結果,次のことを明らかにした。①水圧的に厳しい規模の小さい小ブロックにおいても消防水利の基準を満足する配水管口径と平常時の損失水頭が5m以内の配水管網とすることで4栓同時開放が確保できること。②一日最大給水量が5,000m3/dを超える規模になると,特殊な事例を除き,平常時の損失水頭を5m以内とすることで5栓同時開放が可能となること。

ナトリウム燃焼残渣に含まれる過酸化ナトリウムの定量方法の検討 [寥 赤虹,鶴田 俊,斉藤 直] (19)

金属ナトリウム漏洩火災の危険性評価のためには,燃焼残渣中の過酸化ナトリウムを定量的に把握する必要がある。燃焼残渣の物理性状と化学特性は過酸化ナトリウム試薬と異なるため,試薬を対象とする一般の定量分析方法が適用可能かどうかを検証する必要がある。この目的でNa2O2試薬と同一条件で作成した燃焼残渣のサンプルを用い,過マンガン酸カリウム酸化還元滴定法と加水分解法の2つの方法により分析を行い,その分析結果を比較検討した。さらに,JIS K 8231に定められた過マンガン酸カリウム酸化還元滴定法による燃焼残渣の分析過程で,発生した酸素が全量計測されない原因を調べた。この結果により,JIS K 8231は燃焼残渣の分析に対して不適切な方法であると結論し,燃焼残渣の定量分析に残留液の分析を含む加水分解法の利用を提言した。

ノート:新型石油検知管の開発 [石澤不二雄,平野治夫] (29)

五酸化ヨウ素,硫酸およびシリカゲルの混合物をガラス管に封入することにより,火災現場における軽質性鉱油油の簡易検査のための新型検知管を開発した。検知管内の検知材が油に含まれる揮発性芳香族成分と反応して着色することにより検出,その色調の違いから油が識別される。この検知管は,油の種類による検知材の色調の差が旧型より明確であるため,油の識別がより容易である。

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